こんにちは!今日はみんなを中世ヨーロッパの修道院にご招待するよ。
たくさんの写本が作られていたこの時代、一体どんなインクを使って文字を書き綴っていたのか、その秘密に迫ってみよう!
???? 中世インクの主役「鉄没食子インク」って何?
インクと聞くと「墨汁」みたいなものを想像するかもしれないけど、中世で最も普及し、耐久性に優れていたのが、この「鉄没食子インク(Iron Gall Ink)」なんだ。
その名の通り、いくつかの特殊な原料を混ぜ合わせて作られていたんだよ。これがまた奥深い!
???? 没食子(もっしょくし)の不思議な力
まず、一番のキーとなるのが「没食子(もっしょくし)」。これ、聞いたことあるかな?
実は、特定の種類のオークの木(カシの木)に寄生する虫が卵を産み付けることでできる植物のコブなんだ。ちょうど、どんぐりの丸っこい部分が変形したような見た目をしているよ。
この没食子には、「タンニン酸」という成分が豊富に含まれているんだ。これがインクの色の元になるんだよ!
???? 硫酸鉄(りゅうさんてつ)で化学反応!
次に必要になるのが「硫酸鉄(りゅうさんてつ)」、別名「緑礬(りょくばん)」とも呼ばれる鉱物由来の化合物だよ。この硫酸鉄がタンニン酸と反応することで、黒い色素が生まれるんだ。
???? アラビアゴムと水で完璧なインクに
そして、インクとして使いやすくするために欠かせないのが「アラビアゴム」。これはアカシアの木から採れる天然の樹脂で、インクに粘り気を与えて、羽ペンで書きやすくしたり、紙にしっかりと定着させたりする役割があるんだ。
もちろん、これらの材料を溶かすための「水」も必要不可欠だよね。
✒️ インクはこうして作られた!
当時の修道士たちは、こんな手順で鉄没食子インクを作っていたと考えられているよ。
- 没食子を細かく砕くか粉末にする。
- 砕いた没食子を水に浸し、タンニン酸を抽出する。煮出すこともあったみたいだよ。
- 抽出液に硫酸鉄を加える。この段階で、最初は薄い色だった液体が、化学反応を起こして徐々に濃い黒色へと変化していくんだ!まるで魔法みたいだよね。
- 最後に、アラビアゴムを加えてよく混ぜ、なめらかなインクにする。
- 不純物を取り除くために濾過(ろか)して、完成!
???? なぜ鉄没食子インクが選ばれたのか?
この鉄没食子インクが中世で広く使われたのには、しっかりとした理由があるんだ。
- 驚きの耐久性: 酸化鉄が紙の繊維にしっかりと結合するため、非常に色褪せしにくく、何百年経っても文字が読みやすい状態を保つことができたんだ。だから、今の私たちも中世の貴重な写本を読むことができるんだね。
- 美しい黒色: 深みのある黒は、文字を際立たせ、写本をより美しく見せる効果があったよ。
- 比較的安価な原料: 没食子や硫酸鉄は、高価な顔料に比べて比較的入手しやすかったんだ。
どうだったかな?
たかがインク、されどインク!中世の修道士たちは、身近な材料から化学反応を利用して、何世紀も色褪せない素晴らしいインクを作り上げていたんだね。彼らの知恵と工夫には本当に頭が下がるよ!
これからも、いろんな歴史の裏側を覗いてみようね!
足👣跡